- Interview

  • 私らしくなる時間 ❹

    尾野真千子さんに訊く

巻頭ストーリーの原作映画『メランコリア』は、突如として迎えた地球最後の日に向けて
「人はどう生きるのか?」を問いかけています。
尾野さんはストーリーを演じながらどんなことを感じていたのでしょうか。

今は地球最後の日じゃないから何かをするんだと思います。

  • ─ 映画『メランコリア』を注目の演出家・本谷有希子がオマージュして書きおろした「最後の一日」ですが、最初に読んでみたときの感想はいかがでしたか?

    「世界観がすごくおもしろかったです。ファッションのストーリーだから気持ちのいい感じのお話だと思うじゃないですか? でも、そこをあえて星が落ちてくる物語を選ぶとか、そういうことを発想ができるっていうのが本当におもしろいですよね。芝居をやっている身としては、この世界観の中に居られることが嬉しかったです。一本の映画になりそうだなと感じました」

  • ─ この物語を読むと、自分の「最後の一日」について考えてしまいますよね。

    「そうですね。アンケートでも書きましたが、私だったら一番大切な人と一緒にいたいです。大好きな人と一緒に生きていることを実感したい。食事に行ったり、どこかで遊んだりとか、余計なことは何もしたくないですね。人って何かをしているときには、目を離しちゃうんですよ。大好きな人の姿を見ずに、何かをすることのほうに一所懸命になっちゃう。私は、そんなふうに大切な人から目を離しちゃうのが嫌だから、ただ一緒にいてちゃんと見ていたい。今は地球最後の日じゃないから何かをするんだと思います。それが日常ということなので。だから、私は最後の一日はただ一緒にいるだけがいいな、と」

    ─ それでも敢えて食べるとしたら“最後の晩餐”には
    「お母さんのおにぎりが食べたい」とおっしゃっていました。

    「もうとにかく超おいしいの(笑)。なんかやっぱり違うんでしょうね。どこかで買うおにぎりとは、もちろん全然違うし、母以外の誰かが握ったやつとも全然違うんですよね。絶対にお母さんが握ってないとダメ。でも、きっとみんなそうですよね。だって、誰よりも信頼している人じゃないですか、母親って。そこは父っていうよりやっぱり母。だから、お母さんの握ったおにぎりが一番最高かな。きっと手から私に必要な味が出てるんだろうね(笑)」

  • 尾野真千子(おの・まちこ)

    女優。1997 年映画『萌の朱雀』で主演に抜擢される。『殯の森』『そして父になる』『エヴェレスト 神々の山嶺』などの映画をはじめドラマの話題作にも多数出演。9月23日より映画『ナミヤ雑貨店の奇蹟』が公開
    http://namiya-movie.jp

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