- Hommage Cinema

  • 私らしくなる時間 ❶

    メランコリアを観る

今回の巻頭ビジュアルと小説は、カルト的人気を集める映画『メランコリア』のオマージュ。
世界の終末というダークなテーマながらも、
独特の映像美と深いメッセージに引き込まれてしまう作品です。

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  • 巻頭ストーリー『最後の一日』
    オマージュシネマ

  • メランコリア

    2012年公開

    『奇跡の海』『ダンサー・イン・ザ・ダーク』などで知られる、デンマーク出身のラース・フォン・トリアー監督が、自身のうつ病経験から着想を得て作り上げたSFサスペンス。絵画やクラシック音楽、映画などに対するオマージュが散りばめられている。

  • 監督:ラース・フォン・トリアー
    出演:キルスティン・ダンスト、シャルロット・
    ゲンズブール、キーファー・サザーランド
    DVD ¥3,800(+tax)
    NBCユニバーサル・エンターテイメント

  •  リムジンに乗ったカップルが結婚式場へと向かう幸せそうなシーンから、この映画のラストを予測できる人はいないはず。だけど冒頭10分弱続く、美しくも不穏な雰囲気の漂うスローモーションは、本作が幸せな着地をしないことを暗示しています。監督が鬼才と呼ぶにふさわしいラース・フォン・トリアーであること、またしかり。 主人公は、ふたりの姉妹。先述した花嫁は妹のジャスティンで、姉夫婦の大邸宅で結婚パーティが行われるものの、うつ病を患っている彼女は感情をコントロールできず、“人生最高の日”を自ら台無しにしてしまいます。そんな妹に嫌気がさしながらも、かいがいしく面倒をみている姉のクレア。

  • しかし結婚式から数週間後、メランコリアという巨大な惑星が地球に異常接近していることが判明すると、クレアは不安で押しつぶされそうに。ジャスティンは姉のパニックを尻目に徐々に冷静さを取り戻し、それまでの姉妹の立場が逆転してしまいます。 世界の終わる瞬間が近づいたときの振る舞い方で、その人がどんなふうに生きてきたのかがわかってしまう皮肉さ。巻頭ストーリー『最後の一日』“私”のように、今まで知らない新しい自分が、その瞬間に生まれるのも実に皮肉な展開といえるでしょう。

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